【活動報告】豊予海峡ルート実現に向けた取り組みに関する視察報告
【日時】令和7年5月1日
【場所】大分県庁 交通政策企画課
【対応者】大分県企画振興部交通政策局交通政策企画課 課長ほか計7名
令和7年5月1日、愛媛県議会議員一行は大分県庁を訪問し、
豊予海峡ルートの実現に向けた取り組みについて、
大分県の担当部局より説明を受けた。
大分県は、愛媛県とともに1995年から豊予海峡ルートの構想に取り組んできた。
2003年には、当時の大分県知事が国および地方自治体を取り巻く厳しい財政状況や社会情勢を踏まえ、
「夢のあるプロジェクト」として継続的な取組の必要性を強調しつつも、
現実的な整備の難しさから実質的な見直しを表明した。
しかし、現在の知事の下でプロジェクトは大きく方向転換し、
改めて本格的な推進体制が整備されつつある。
具体的には、プロジェクトチームの設置や、
中九州横断道路の整備と連動した「豊予伊予連絡道路」構想の具体化が進んでいる。
担当課からは、豊予海峡ルートの実現によって見込まれる効果として、次の点が挙げられた。
– インバウンド観光の周遊ルート拡大
– 農産品等の物流効率の向上(配達時間と距離の短縮)
– 南海トラフ地震など激甚化する自然災害に対するリダンダンシーの確保
また、令和6年10月に実施された県民意識調査では、
豊予海峡ルートや東九州新幹線の整備効果についての認知度が30%前後にとどまっていることが報告され
今後は行政によるさらなる機運醸成が求められるとの認識が示された。
議員側からの質疑応答では、
山本議員より「橋梁とトンネルのどちらが適切か」
「完成までに必要な時間はどの程度か」といった技術的・工程的な質問がなされ、
道路建設課からは「昨年度実施した地質調査の結果を踏まえて、今後の工法を検討していく段階」との回答があった。
また、田井野議員からは「このルートは国道197号に含まれるのか」という点について質問があり、
「現時点では事業主体も未定であり、まずは技術的な検討を優先している」との説明がなされた。
今後は愛媛県側との連携を強化するため、5月13日に勉強会を実施し、情報交換を進めていく予定である。
本視察を通じて、豊予海峡ルートの整備に向けた動きが再び現実味を帯びつつあることを確認した。
愛媛県としても、今後の国や他県との連携強化を図りつつ、
地域住民の理解と協力を得ながら、引き続き積極的に関与していく必要があると認識した。