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【活動報告】愛知県視察へ

2025.04.15活動報告

令和7年4月14日と15日の二日間にわたり、私は愛知県にある「みどりが丘公園墓地」と長久手市の「卯塚墓園管理事務所」を視察いたしました。今回の視察は、墓地行政の最前線でどのような取り組みがなされているのかを学び、今後の愛媛県の地域墓地政策に生かしていくことを目的としています。視察には、愛知県議会議員の田中泰彦先生にご案内をいただき、現地では関係者の皆様から丁寧にお話を伺うことができました。

現代において、少子高齢化や核家族化の進行により、無縁墓地の増加や墓地の管理体制の脆弱さが大きな課題となっています。特に、南海トラフ地震のような大規模災害を想定した場合、墓石の倒壊リスクや、その後の管理責任の所在など、課題は山積しています。また、かつてのようにお墓を建てることが当たり前という価値観も変化しつつあり、宗教法人に依存しない埋葬のスタイルも増えてきました。

最初に訪れた「みどりが丘公園墓地」は、公園の中に墓地が設けられており、その運営は公益財団法人「名古屋市みどりの協会」が担っています。かつては市が直接運営していましたが、指定管理者制度の導入により、公募の中から選ばれた同協会が現在の管理を行っています。歴史のあるこの墓地では、現在およそ2万6千区画が整備されており、そのうち97.6%が既に貸し付けられています。中でも、自然との調和を意識した「修景墓地」は人気が高く、貸付率は100%に達しています。

利用者のニーズも大きく変化しており、芝生型の墓所や合葬式墓地の需要が高まっています。名古屋市では、新たに墓地を申し込む際にアンケートを実施しており、「市営墓地であることの安心感」や「費用負担が少ないこと」が理由として多く挙げられていました。また、案内パンフレットを区役所に置いただけで、すぐに無くなるほどの関心の高さも印象的でした。一方で、無縁墓地に対する行政の対応はまだ十分とは言えず、今後の管理体制の見直しが求められます。

次に訪問したのは、長久手市にある卯塚墓園です。こちらは平成30年に整備された比較的新しい墓園で、市が直営で管理しています。現地では、長久手市役所の次長や課長らとともに、丁寧なヒアリングと現場確認を行いました。印象的だったのは、芝生墓所の草刈りを市の職員自らが行っていたことです。市民の方からは、「子どもに迷惑をかけたくない」との思いから、合葬式墓地へのニーズが高まっていると伺いました。また、墓所を購入した後、2年以内に辞退された方には、半額を返金するという制度も導入されており、利用者に配慮した柔軟な運用がなされていました。

こうした視察を通じて、私はいくつかの課題と気づきを得ました。まず、自治体が主体となって墓地を管理する際には、一定の専門性と継続的な体制の確保が不可欠であるという点です。次に、宗教法人と行政との役割分担や連携のあり方を再構築する必要があると感じました。そして何より、合葬や芝生墓地といった新しい埋葬形式への関心が高まる中で、そうしたニーズにどう対応していくかが、今後の墓地行政に問われているのだと思います。

また、名古屋市のように、指定管理者制度を柔軟に活用することで、効率的かつ持続的な運営が可能となることも示唆に富んでいました。地域の人口動態や文化的背景を踏まえた運営モデルの導入も、愛媛県内で今後検討していくべき課題です。

今回の視察で学んだことは、必ずや今後の政策提言や地域における墓地行政の改善に役立てていきたいと考えています。

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